2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« SCIS 2011 論文賞の受賞者決定 | トップページ | 岡本龍明氏の中央大学2011年度集中講義 »

「円周率3.14」は教科書信仰

ちょっと前の話になりますが、長野県の近藤さんが円周率を小数点以下10兆桁まで算出することに成功したそうです。円周率の計算というと、東大の金田先生を連想してしまうのですが、現在のタイトルホルダーは近藤さんとのこと。全くもってすばらしい話だと思います。おめでとうございます。

このニュースを、2011年10月18日付けの日本経済新聞1面の春秋(朝日新聞でいう天声人語)が以下のように取り上げていました。この結びが驚くような内容だったので是非紹介させていただきたく、リンク切れを避けるために全文引用させていただきます:

3.141592653589793…と果てしなく続く円周率。この小数点以下の不思議な数字を、人類はずっと計算しつづけてきた。1万桁まで解き明かしたのは半世紀ほど前。1973年には100万桁まであぶり出している。
「追求」は加速する一方だ。近年、東大チームがつくった世界記録は32億桁から2061億桁、さらに1兆2411億桁へと、まさに桁違いの更新ぶりだった。そしていまは長野県飯田市の会社員、近藤茂さん(56)の独壇場だろう。5兆桁という自らの記録をたった1年で塗り替え、ついに10兆桁にこぎ着けた。
円周率の計算は学生時代からの趣味で、5兆桁も10兆桁も自作のパソコンで達成したという。どこそこの研究者ではなく市井の人の快挙だ。10兆桁目の数字は5だったそうだが、それを見届けようとするあくなき好奇心が記録を生む出すのかもしれない。そこに円周率があるから、というほかない挑戦なのだろう。
小学校では円周率を3と教えている、という批判がかつてあった。じつは学習指導要領には、場合によっては3でもいいと書いてあっただけだ。円周率は3.14。誰もがそうすり込まれてきたから当惑が広がったに違いない。教科書信仰ゆえの騒ぎだったのだろう。近藤さんは、次は20兆桁に挑むそうだ。

過去に、学習指導要領で円周率を3と教えても良いと書かれていたことがありました。それは一時大きく批判されていて、東大の入試ではそれに反論するような問題が出題されたこともありました。このような批判は、それまでの教科書によって円周率は3.14とすり込まれていた影響、つまり教科書信仰ゆえの騒ぎだったと述べられているのです。

何を言っているのでしょうか。

ほとんどの批判の主張は、円周率は3よりも大きな値であるのに、それを3という整数に丸める点に集中しています。半径1の円に内接する正六角形を考えると、正六角形の辺の長さの合計は6ですが、円周率を3としてしまうと、円周の長さも6となってしまい、おかしなことになってしまうのです。図形的に、明らかに3より大きな(円周率という)値を3に丸めてしまうのがおかしいと批判しているのです。それまでの教科書で円周率は3.14と教えられていたから、そうであるべきだと批判しているわけではないのです(東大の入試問題もこのような直感を掘り下げた問題で、入試界では良問として有名なんだそうです)。

日経の記者はもっと数学センスというか理系センスを磨くことをお勧めします。

« SCIS 2011 論文賞の受賞者決定 | トップページ | 岡本龍明氏の中央大学2011年度集中講義 »

新聞記事」カテゴリの記事

コメント

初めまして。素敵なご説明のトラバ、ありがとうございました。
つい、日常感覚の泥臭さで考えても、明らかに発想がヤバイ!と思って書いてしまいました。
このように考えるものだったのですね!そういえば、聞いた覚えがあるような…とても参考になりました。

>それまでの教科書で円周率は3.14と教えられていたから、そうであるべきだと批判しているわけではないのです

え???違うでしょ?
その記事は「3.14と刷り込まれた人たちがそう教えられたから3.14でなければならないと批判した」と言ってるわけじゃないでしょ?
「3.14を3に丸めることを批判している人たちは、そもそもそれは要領の誤解だし、自分が教えられたこと中心に後ろ向きに他人に粗探しに目くじら立てるよりも、近藤さんのようにもっと前向きな視点で問題に向かっている人もいますよ」ってことが言いたいんでしょ?

あなた日本語力鍛えた方がいいですよ笑
この日経の記事自体が、あなたのような人への箴言になってるのが面白かったです。

>「3.14を3に丸めることを批判している人たちは、そもそもそれは要領の誤解だし、自分が教えられたこと中心に後ろ向きに他人に粗探しに目くじら立てるよりも、近藤さんのようにもっと前向きな視点で問題に向かっている人もいますよ」ってことが言いたいんでしょ?

記者が言いたいことは置いておいて、杜撰な研究者氏が言っているのは「そもそもそれは要領の誤解だし、」こう記者が思っていることが間違っていると言っているのです。
批判している人達は要領を誤解して批判しているのではなく、円周率を3に丸めることが本質的にやってはいけないことだと理解しているから批判しているわけで、それを記者はわかっていないね、という記事ですよ、これ。
指導要領に「円周率を3と教えても良い」と書いてあろうがなかろうが、円周率を3と教えている時点で起こる批判だよね〜この記事を書いた記者こそ誤解してるね〜ということなんですよ。

日本語力を鍛えた方がいいという言葉、ブーメランのようになってますよ。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/177150/53020768

この記事へのトラックバック一覧です: 「円周率3.14」は教科書信仰:

« SCIS 2011 論文賞の受賞者決定 | トップページ | 岡本龍明氏の中央大学2011年度集中講義 »

リンク