『ZIPを用いたメールの暗号化は課題が多い』
マイコミジャーナルの「ZIPを用いたメールの暗号化は課題が多い - 日本PGP代表取締役・北原氏」(2009年11月16日)というインタビュー記事より。
ZIP を用いた「メールの暗号化」というのは、大事なファイルをパスワード付き ZIP で暗号化して添付・送信し、パスワードは別メイルで送信する一連の操作を指しています。北原氏は、この「メールの暗号化」はセキュリティ的に問題があることを指摘しています。このインタビューが PGP の宣伝目的、という面を差し引いても、ZIP 暗号が良くないことは同意できます (でもやってしまうんですよね...)。
で、インタビューは PGP のアピールになっていくのですが
「本当に公開鍵は解読できないのか?」と尋ねたところ、北原氏は「時間をかければ解読できないことはないかもしれないが、それだけの時間と手間が必要なら、犯罪者は他のメールの解読に手をつけるはず」と答えた。
というやりとりにはちょっと疑問符がうかびました。だって「解読できないことはないかもしれない」なんて台詞は、売り込み元としては、口にしてはいけないと思うんですよね。やはりここでは「解読できません」と言って欲しいなぁと思いました。
あと、暗号解読者の立場としては、「(手がとどく程度の)時間をかければ解けるかもしれない暗号」と「明らかに弱い暗号」があったときに、全員が全員とも後者を解くとは限らないと思います。だから、やはり暗号は「解読できない」のが一番だと思います!
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