MD5: パスワード用ネット暗号 高速の解読法発見
日経新聞の2009年4月27日12面(12版)の記事より。ネット記事や関連プレスリリースを見つけられなかったので、備忘録のかわりにメモしておきます。
パスワード用ネット暗号 高速の解読法 発見
NTT 個人認証、盗聴の恐れ
- NTT はインターネットのパスワード認証に広く使われる MD5 という暗号方式が外部から解読される可能性があることを突き止めた。
- 現在市販のパソコンなら暗号が破られる恐れは少ないが、将来、計算能力の高いコンピューターで攻撃されると、パスワードが漏れる可能性がある。
- MD5 はネットで送信するデータを特殊な関数で短い暗号データに変換する方法。
- 最近、特定の条件下でデータ偽造などの危険が指摘され、より高度な暗号も使われ始めたが、現在も旧式のホームページ閲覧ソフトなどで利用される。
- NTT は、MD5 で暗号化したデータから短時間でファイルの中身やパスワードを読み取る方法を発見した。
- 読み取る時間は従来に比べて約24倍も速い。
攻撃手法を発見したのであって、実際に攻撃に成功したわけではなさそうです。
「パスワード復元」「約24倍の高速化」というキーワードと、記事の掲載時期を勘案すると、EUROCRYPT 2009 で発表された
Finding Preimages in Full MD5 Faster than Exhaustive Search
Yu Sasaki, Kazumaro Aoki
という発表の内容に関連するとにらみましたが、どうでしょうか。真相をご存じの方、関係者の方からの情報提供をお待ちします。
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