2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »

2007年10月

CSS 2007 参加報告(1日目)

というわけで奈良新公会堂で開催されているコンピュータセキュリティシンポジウム 2007 (CSS 2007) に参加しました。主催は情報処理学会の CSEC 研究会で、今年は10回目という節目となっています。ちなみに私にとっては3回目の CSS でした(広島・大阪・奈良)。参加者は250人位ということで、いろいろな方とお話しするには手頃な規模だと思いました。気のせいかもしれませんが、スーツ姿の参加者が多かったような。

初日にとにかく印象的だったのは、山口英先生による特別講演でした。内容はともかく、話の迫力とうまさに引き込まれました。

夜には CSS 10回記念イベントとして、CSS×2.0というイベントが開催されました。CSS×2.0 とは Candle Star Session in Computer Security Symposium の略で、いわゆるナイトセッションのことです。前半ではデモ展示の紹介や研究速報が、後半ではお楽しみ系の発表がなされていました。特に最後のあたりはユーモアネタが披露され、会場が盛り上がっていました。セッション終了後、電子投票によって CSS×2.0 の優秀発表賞が選ばれ、最後の発表者に「スター」の称号が贈られていました。でも、トリは印象に残りやすいでしょうから、有利だったのではないかと思いました <(_ _)>

DoS攻撃?

このところ奈良方面からのアクセスが急増しています。アクセスログによると、十数人のIDが記録されていました。ってどう考えても IWSEC 2007 の参加者の方々でしょうね。連青く開催される CSS 2007 に参加するので、会場で LAN が使えるというがわかってちょっとうれしいです。

WEPが破られる

IT Pro の2007年10月23日の「また一つWEPが破られていく (Another WEP bytes the dust)」という記事より。WEPが使用しているRC4が破られた話自体は新しくはないと思うのですが、備忘録代わりのメモということで。

奨学金の見直し

フジサンケイビジネスアイの2007年10月29日の「財務省 奨学金事業の見直し検討 遊興費転用の学生増加で」という記事より。奨学金を遊興費に使ったり、返さなかったりする学生が増えているため、奨学金の縮小が検討されているとのことです。

うーん、何か間違っていますよね。学費に充当させて遊興費に転用できないようにするとか、TAなどの対価を提供して貰った上で(貸与ではなく)給与にするとか、返還率を向上させるとか、できることはいろいろあるように思いました。

ISEC研究会(2007年12月)のプログラム

2007年12月開催予定の ISEC 研究会のプログラムが公開されました。

素因数分解の意外な使い道

「素因数分解の意外な使い道」という解説記事を見つけました。素因数分解を使って電子コイン投げを実現しよう!という話が解説されています。素因数分解というとすぐに暗号解読に結びつけてしまうため、確かに新鮮な話に感じました。

暗号式ジェネレータ

暗号式ジェネレータです。元ネタを全く知らずにリンクしているので、生成されたものが何を意味しているかわかりません。あしからず。

IWSEC 2007 & CSS 2007

明日から奈良新公会堂において、セキュリティの国際会議 IWSEC 2007 と、国内ワークショップである CSS 2007 が連続開催されます。どちらのウェブページを見ても、連続開催であることがプッシュされていない気がします。あと私は CSS 2007 に参加の予定なのですが、懇親会は開催されますよね...

期待を上回る?下回る?

asahi.com の2007年10月27日の記事「大卒研究職社員の資質「期待上回る」は1% 文科省調査」より。文科省が民間企業にアンケートをとったところ、研究職として採用した社員の資質が
「期待を上回る」→B卒1.0%、M卒1.4%、D卒2.6%
「ほぼ期待通り」→60%前後
「期待を下回る」→B卒31%、M卒26%、D卒15%
と評価されたそうです。

「ほぼ期待通り」が60%前後というのはなかなかの値ではないでしょうか。評価対象者が入社何年目かはわかりませんが、新入社員に企業ニーズとか言っても仕方ないと思いました。

あわせて読みたい

リンクに「あわせて読みたい」を追加してみました。「あわせて読みたい」というのは、このブログをご覧になっている方が他にどんなブログを読んでいるかを集計・表示させるサービスです。しばらく使ってみたいと思います。

New Book: Lanczos Algorithms for Large Symmetric Eigenvalue Computations: Theory

Lanczos アルゴリズムの教科書です。 Lanczos アルゴリズムというのは....数体篩法という素因数分解アルゴリズムで使用するアルゴリズムなのです。たぶん。

CSEC39 のプログラム

2007年12月に開催される CSEC 研究会 (CSEC39) のプログラムが公開されました。

Paritty

某所から Paritty なるソフトを教えていただきました。PARI/GP の入出力インターフェイス GUI だそうです。

SEC 2008 の Call for Papers

SEC 2008Call for Papers です。

  • Submission Deadline: January 10, 2008
  • Notification: March 23, 2008
  • Conference Date: September 8-10, 2008
  • Conference Place: Milan, Italy

WBS

Tさんからの情報です。2007年10月23日のワールドサテライトビジネスで情報セキュリティーの特集が放映されたとのことです。内容は、BOT, DDOS, 2010年問題, 情報教育と幅広いですね。

こうしたなか、注目を集めるのは、NTTと三菱電機が開発した次世代暗号「カメリア」。現在の標準的な暗号の280兆倍以上の安全性をもつという。

280兆 = 2^48 = 2^(128-80) なので、現在の標準的な暗号とは 3-kry 3DES のことでしょうか。数字の見せ方が参考になります。無限大とか言っているようではまだまだですね...

赤福の暗号

朝日新聞の2007年11月24日の記事より。赤福が偽造を分類するために「暗号」を使用していたということです(現物の新聞の見出しでは『偽装の「暗号」』となっていました)。暗号というよりも、符牒といったところでしょうか。同様に「白い恋人の暗号」とか「比内地鶏の暗号」とか「明太子の暗号」とか「宮崎地鶏の暗号」とかもあるのでしょうかね。あれ、珍しく普通の社会ネタかも。

ICICS 2007 の Accepted papers

ICICS 2007Accepted Papers がやっと公開されました。個人的には CLEFIA への DFA 攻撃というのが気になります。

ISEC-ML と CSEC-ML

情報収集のために ISEC 研究会の MLCSEC 研究会の ML に登録しています。ISEC-ML と CSEC-ML の配信ポリシーが異なっていて、CSEC-ML ではオリジナルメイルの送信者がそのまま From になっているのに対し、ISEC-ML では From は ML owner に設定されます。メイル本文に送信者を特定する情報があるときは良いのですが、特定情報がないときに、メイル内容をどう判断して良いか迷うことがあります。しかも ISEC-ML で配信されるメイルの冒頭には「本件の通知については,ISEC専門委員会委員長の了解を得ております.」という文言が入るため、油断して読んでいると、ISEC 専門委員会委員長が配信したように勘違いしてしまいそうです。いや、私があるメイルをこのように勘違いしてしまったための備忘録でした。情けない。

Certicom ECC Conference 2007 のスケジュール

Certicom が主催する ECC Conference 2007 (Certicom ECC Conference 2007) のスケジュールが公開されています。日本からの講演者もいらっしゃるようです。

Wakhok Lecture

稚内北星学園大学の公開講座 (Wakhok Lecture) で暗号が解説されています。標準的な内容だと思うのですが、暗号システムの解説のところで、暗号化・復号化アルゴリズムと鍵が一体になって説明されていた部分が個人的には気になりました。

トラステッドソリューション

以前にとりあげたトラステッドソリューションの新秘密分散ライブラリーについて、説明の補足資料(修正文)が公開されました。修正点は2つで、1つは暗号と秘密分散の差異に関するもの、もう1つは秘密分散の強秘匿性に関するものです。個人的にはこの修正文を読んで、やっと雰囲気が分かりました。修正内容がピンポイントな気がするので、もしもこのブログを読まれて対応されたのであれば、大変に申し訳ないところです。大いなる杞憂であることを期待します...

SITA 2007 のプログラム

SITA 2007アドバンストプログラムが公開されました。NHK の英語名が Japan Broadcasting Corporation であることを初めて知りました。もともとの NHK がローマ字表記の頭文字だからだと思うのですが、KDDI のように会社名にしてしまえばわかりやすくなると思いました。あ、会社名はきっと法律で定められているだろうから、法律の変更も必要になるのか...

天才数学者 失踪の謎

NHKスペシャルで「100年の謎はなぜ解けたのか~天才数学者 失踪の謎~」という番組をやっていたようです。しまった、見逃した!再放送をしてくれないかなぁ。ポアンカレ予想を解いたロシアの数学者グリゴリ・ペレリマンの話ですよね。それにしてもフィールズ賞を辞退するってすごい話ですよね。

eCipherGate

CipherGate のデータベース暗号化ソフトウェアである「eCipherGate Security for Symfoware」と「eCipherGate」が、これまで使用していた VSC というストリーム暗号に加え(代わり?)、AES に対応したらしいです。理由は

VSCは総務省及び経済産業省が共同で実施している、暗号技術評価プロジェクトCRYPTREC(クリプトレック)には含まれておらず、そのため電子政府調達基準を満たさない可能性があることが判明しました。

ということで、こんなにも CRYPTREC 準拠を正面からうたっているのが印象的でした。

Tools for Cryptanalysis Workshop の講演資料

ECRYPT の Tools for Cryptanalysis Workshop講演資料が公開されていました。

安全なC言語

産業技術総合研究所の情報セキュリティ研究センターが安全なC言語「Fail-Safe C」を公開したそうです。ちょっと興味があるので、暇を見つけていじってみたいと思います。

祝30000ヒット

本ブログへのアクセスが30000ヒットを突破しました。みなさま、ご愛読ありがとうございます。ブログを始めて約1年ですが、さらに頑張ろうと思います。

  • スタート:2006年10月16日
  • 10000ヒット:2007年05月31日 (228日目)
  • 20000ヒット:2007年08月11日 (300日目, 10000ヒットから72日目)
  • 30000ヒット:2007年10月21日 (371日目, 20000ヒットから71日目)

あと、定点観測データです。

  • Google
    「杜撰」→4位のおまけ(APOP の記事は4位)
    「杜撰な」→1位のおまけ(APOP の記事は1位)
    「zusan」→6位のおまけ (自己紹介文が6位)
  • Yahoo!
    「杜撰」→2位(ただし APOP の記事)
    「杜撰な」→1位(ただし APOP の記事、ブログ自体は5位)
    「杜撰な研究者」→1位(ただし APOP の記事、ブログ自体は2位)
    「zusan」→圏外

ISIT 2008 の Call for Papers

ISIT 2008 の Call for Papers です。

  • Submission Deadline: January 7, 2008
  • Notification: March 31, 2008
  • Symposium Date: July 6-11, 2008
  • Symposium Place: Toronto, ON, Canada

大学は研究機関か教育機関か

okamoto7さんの2007年10月11日のブログ記事「大学は「研究機関」か「教育機関」か」について。大学が「研究教育機関」というのには同意します(ただし、どちらかというと教育が先に来る「教育研究機関」という気がします)。でも大学が教育機関だという話はあまり聞かないですよね。社会は教育機関としての大学に多くを期待していないのかな。

USENIX Security 2008 の Call for Papers

USENIX Security 2008Call for Papers です。

  • Submission Deadline: January 30, 2008
  • Notification: April 7, 2008
  • Symposium Date: July 28-August 1, 2008
  • Symposium Place: San Jose, CA, USA

セキュリティのプロがつくった無線LAN

暗号商売ウォッチングの第3弾は、トリニティーセキュリティーシステムズのIPN-W100シリーズという無線LAN機器(アクセスポイント+通信カード)を取り上げます。商品のキャッチコピーは

セキュリティのプロがつくった無線LAN

となっています。相互認証には SAS-2 という方式が、暗号化には128ビットAESが使われているとのことで、

ウルトラセキュア

なのだそうです。SAS-2 とは高知工科大学の清水明宏教授が考案された動的パスワード認証方式とのことです。SAS-2 の詳細を知りたかったのですが、情報を見つけられませんでした。残念。

部分的な暗号化

IT Pro の「Xerox,文書から自動抽出した機密情報を部分的に暗号化するセキュリティ技術 」(2007年10月16日)という記事から。部分文書ごとに暗号化をするという話は聞いたことがあるのですが、自動的に機密情報かどうかを判定して暗号化する部分が売りなのでしょう。おもしろそうです。

HISS19 のプログラム

第17回の北陸情報セキュリティ(HISS)研究会のプログラムが公開されています。って今日でしたね...

CSS 2007 のウェブ

CSS 2007 のウェブが更新されて、座長やデモンストレーションが発表されています。でも新着情報は更新されていないですね ^^; そういえば、どうも私の計算機環境はこのウェブと相性が悪いらしく、表示される文字は小さいし、 RSS がうまく受信できないです。

IT Pro 2題

IT Pro の記事から2つを紹介します。1つ目は2007年10月10日の「クリック詐欺、reCAPTCHA、セッション固定のパズルを解く」。賢いですねぇ。

もう1つも2007年10月10日の記事で「意外に深い整数の世界(まつもと直伝 プログラミングの世界 第14回)」というお話。駆け足ながら RSA 暗号の実装まで話がおよんでいます。

パスワードの解読は簡単?

日経パソコン PC online の2007年10月15日の記事より(2004年6月に雑誌に掲載された記事の再掲だそうです)。Excel のファイルに設定できるパスワードは、実は簡単に解読できるというお話です。記事では

そもそもエクセルの保護機能は、データの内容を完璧に守る機能ではなく、ファイルに“簡単な鍵”を掛ける機能と認識するべきだ。

として Excel のパスワードを過信しないように啓蒙しています。そういうものなのでしょう。

「Pairing の現状と今後の展望」の講演資料

ISEC 研究会が主催で開催された「情報セキュリティを支える新技術 Pairing の現状と今後の展望」の講演資料が公開されました。

1. Pairing の計算法とその実装・・・岡本栄司(筑波大)
2. ペアリング利用に適した楕円曲線の研究及び標準化動向・・・宮地充子(北
陸先端大)
3. IDベース暗号における Pairing の効用・・・境 隆一(阪電通大)
4. Pairing による暗号プロトコルの効率化例・・・古川 潤(NEC)

経済学検定

工学系数学統一試験」と同じように、「経済学検定」なるものも現場で利用されていることをとある方に教えていただきました。「試験に出るぞ~」といって学生のモチベーションを上げる手法が大学でも使われているのですか...

おめでとうございます

おめでとうございます

C&C 2007 の Program

IMA Cryptography and Coding 2007プログラムが公開されています。この論文タイトルって...

世代交代が迫る暗号技術

ITPro の2007年10月10日の「世代交代が迫る暗号技術(前編)(後編)」という記事より。暗号の2010年問題にからめて主な暗号アルゴリズムの構造が図示されていて、なかなかわかりやすい記事だと思いました。それももっともで、どちらも「絵でみるテクノロジー」という連載の一環なのでした。

ブログパーツ

暗号解読力検定」といブログパーツを見つけました。このブログをご覧の中には暗号解読に覚えのある方もいらっしゃるでしょうから、是非チャレンジしてみてください ^^;

STOC 2008 の Call for Papers

ACM STOC 2008Call for Papers です。

  • Submission Deadline: November 19, 2007
  • Notification: February 4, 2008
  • Symposium Date: May 17-20, 2008
  • Symposium Place: Victoria, BC, Canada

計算機数学の研究集会

数解研の計算機数学に関する研究集会「Computer Algebra - Design of Algorithms, Implementations and Applications」のプログラムが公開されています。個人的には

11月 9日(金)
  13:20~13:50 岩見真希 (大阪経済法科大学・教養部)
          簡約化して解読されない代数曲面公開鍵暗号の提案(仮)

という発表が気になるところです。

PeopleLock3

暗号商売ウォッチングの第2弾は電机本舗の暗号化ソフト「PeopleLock 3」です。HDDの暗号化ソフトウェアだそうです。何と

32768ビット高速ブロック暗号を実装

していて、

暗号化による速度劣化率10%未満を実現

しているのだそうです。ちなみに別の所では

暗号化・復号化による時間損失を通常時の5%以下に抑えることに成功

となっています。当然に暗号アルゴリズムの中身が知りたくなるわけですが、その辺は簡単機能説明というドキュメントに記載されていて

鍵の大きさは1024ビット。乱数強度は10の6000乗、次世代暗号AESとは比較にならない強度

となっています。鍵長が1024ビットと聞くと素人はRSAと思ってしまうわけですが、AESより安全と言っているのですから共通鍵暗号なのでしょう。となると独自開発されたアルゴリズムを使っているのですね。鍵長1024ビット、ブロック長32768ビット共通鍵暗号ですか。乱数も使っているのかな。ちょっとオーバースペック気味な気もしますが、まあ速度劣化が5%未満なのですから、安全であるにこしたことはないですね。

秘密分散ライブラリー

新企画「暗号商売ウォッチング」を始めます。暗号製品などの広告やウェブを読んで、杜撰が印象に残ったキーワードを記録していきたいと思います。疑問くらいは書くかもしれませんが、あくまでも記録目的であって、特定製品を宣伝したり誹謗中傷したりするつもりは一切ありません。なお、似た名称のサイトがありますが、それは気のせいです ^^;

ということで第1弾はトラステッドソリューションの「新秘密分散法ライブラリー(Ver3.0)」です。

秘密分散法は、一般的に利用されている鍵暗号方式よりもはるかに秘匿性の高い技術です。鍵暗号方式は暗号化されたデータに全てのデータが入っているため、データが持ち出された場合、時間をかければ高い確率で解読されてしまうことが問題でした。

鍵暗号方式によって暗号化されたデータが持ち出される(公開される)のはあたり前だと思うので、現在の鍵暗号方式は(時間をかければ高い確率で)解読されてしまうわけですね。そりゃ問題だ。

秘密分散法は、暗号分散された情報の1片が持ち出されても実質上解読することができない強秘匿性を持っています。

秘密情報分散における強秘匿性ですか。定義を知りたいです。注記に定義が書かれていますが、これは暗号文に対して定義されていますよね...

過去に一般利用された暗号アルゴリズムの多くは、実は一方向性は満足しているのですが、強秘匿性は満足していません。

「RSA 暗号は一方向性を満足している」のですね。

ウェブページにある秘密分散法に関する説明でもいろいろと印象に残った部分はあるのですが、それはまた後日にウォッチしたいと思います。

ECC 2007 のスライド

ブックマークです。ECC 2007 の講演スライドが公開されています。

お騒がせしました

2007年8月10日の日記にこんなことを書いたわけですが、さきほどバグが修正されているのに気づきました。このブログが発端となったのであれば、お騒がせいたしました。

スーパードクター

最近、大学ネタが続いていますね。暗号ネタが不足気味ということでご勘弁ください...

ちょっと旧聞に属するのですが、JAIST がスーパードクター制度なるものを導入すると発表しました。この制度は学部3年生終了者を対象としていて、入学後4年間でドクターを取得させることを目標としています。つまりドクターを学部込み7年(通常は9年)で取らせようというのです。ここまでではよくある制度に思えるのですが、スーパードクター制度のさらにすごいのは経済的支援の方で、入学金免除・住居費(寄宿舎)免除・奨学金(前期課程10万円/月、後期課程15万円/月)・海外留学費用援助がうたわれています。JAIST の学費は60万円/年位でしょうから、奨学金から払っても月5万円以上は残る計算です。

最近、東大でも後期課程学生への経済支援が発表されましたが、こちらはそれ以上の内容ですね。JAIST には学部がありませんので、優秀な学生の青田買いという面もあるのでしょうが、優秀な学生を支援するという意味ではすばらしいと思います。気になるのは、(JAIST に限りませんが) ドクターを取った後の進路の問題ですね。さすがにこれを保証することはできないでしょうから...

暗号解読コンピュータの復刻

マイコミジャーナル2007年10月5日の記事より。Bletchley Park 博物館に暗号解読コンピュータ Turing Bombe と Colossus が復刻されたそうです。

Semaev's Lecture

RSNT-ML に流れていた情報より。あの Semaev さんが東工大で講演会をなさるそうです。ウェブで同じ情報を見つけられなかったため、ちょっと長いのですが丸ごと転送します。

日時:11月5日、14:00~

場所:東京工業大学大岡山キャンパス、本館2階、230号室

Speaker: Igor Semaev 氏 (Bergen University)

Title: Solving sparse algebraic equations over finite fields

Abstract: A system of algebraic equations over a finite field is called sparse if each equation depends on a small number of variables. Finding efficiently solutions to the system is an underlying hard problem in the cryptanalysis of modern ciphers. Several methods  are know to solve such equations:
1. Via computing the Groebner basis  of  the multivariate polynomials representing equations;
2. Represent( at least in characteristic 2) each equation and the whole system by a Conjunctive Normal Form(CNF) and apply SAT solving algorithms mostly based on Unit Clause Propagation and Clauses Resolution.

In the talk another approach to solving sparse algebraic equations is presented. Each equation of the system is represented by the list of its solutions. Then  deterministic Agreeing-Gluing algorithm due to Raddum-Semaev is applied. The expected running time of the Agreeing-Gluing algorithm on uniformly random instances  is rigorously estimated. This estimate is at present the best theoretical bound on the complexity of solving average instances of the problem.

In characteristic 2 we observe an exciting difference with  the worst case complexity provided by SAT solving algorithms. The reason for that is Agreeing is a more general technique than Unit Clause Propagation and Gluing is more general than  Clauses Resolution. Agreeing-Gluing is more powerful on equation systems as average equation in k variables has 2^{k-1} solutions while every clause has 2^k-1 satisfying assignments. So average CNF is harder than average system of sparse equations.

Then a more general and useful method  for representing and solving equations common in cryptanalysis will be explained. The new representation combines our previous representation of sparse equations and Linear Algebra. It is called  Multiple Right Hand Sides(MRHS) linear equations. Generalized Agreeing and Gluing are developed in order to solve MRHS linear equations. Experimental comparisons of this approach and F4 algorithm implemented in Magma is provided.

世話人・問い合わせ先:東工大数学専攻 佐藤孝和

IEEE-SP 2008 の Call for Papers

IEEE Security and Privacy 2008Call for Papers です。この会議を SP と省略していいのかどうかは知りません。

  • Submission Deadline: November 9, 2007
  • Notification: January 25, 2008
  • Symposium Date: May 18-21, 2008
  • Symposium Place: Oakland, CA, USA

KAIST の衝撃

韓国の KAIST での話です。30人余りのテニュアの教授が「テニュア審査」を受け、10人以上が不的確と判断されたということです。審査する側のインタビューを読んでも、KAIST 側のやる気を感じます。テニュアだったのを、途中から剥奪するというのもどうかと思いますが、そもそもテニュアを付与する際の審査が問題視されているようです。過渡期とはいえ、大変ですよねぇ(他人事)。

ISEC 研究会 (2007年11月) のプログラム

ISEC研究会(2007年11月)のプログラムが公開されました。

Lectures in YouTube

CNET Japan の2007年10月4日の記事から。UC Berkeley の講義が YouTube で視聴できるようになるそうです。予備校などではビデオ講義が進んでいるので、学生の方もビデオ講義には慣れており、場合によってはそっちの方がわかりやすい、と言われるかもしれないでしょう。講義の基準ができるわけですから、大学の先生方も大変ですね。

CEATEC 2007

といっても CEATEC 2007 の話題紹介なんかではなく、単に暗号関係の研究室が出展したいました、という話でした。近頃の大学も大変ですねぇ。

学位の条件

素因数分解でおなじみオランダの CWI の研究グループが学生を募集しています。プロジェクト課題は一般数体篩法による素因数分解記録の更新ということで、プロジェクトが成功(つまり素因数分解の世界記録達成)の暁には学位が授与されるとのことです。基準がわかりやすくて良いですね。

IEICE: Fundamental Review 第2号

電子情報通信学会の基礎・境界ソサイエティの会誌「Fundamental Review」の創刊第2号が発行されました。「国際会議報告」では Pairing 2007 が紹介されています。

CARDIS 2008 の Call for Papers

CARDIS 2008Call for Papers です。

  • Submission Deadline: February 15, 2008
  • Notification: May 1, 2008
  • Conference Date: September 8-11, 2008
  • Conference Place: London, UK

セキュリティと利便性の両立で普及進む

ITPro の記事「製品&サービス・レビュー~バイオメトリクス認証」より。さまざまなバイオメトリクス認証装置が紹介されていますが、オリジナルの記事内容は2005年10月にかかれているので、少し注意が必要でしょう。

AAECC-17 の発表・講演リスト

AAECC-17 の発表・講演リストが公開されています。

博士売り込み大作戦

朝日新聞2007年10月1日の記事より。

就職先が見つからない博士の就職を支援する動きが広がり始めた。ねらいは民間企業だ。
・早稲田大:フォーラム「化学系ポスドクへの期待」の開催
・応用物理学会:ミーティング「博士後のキャリアを考える」の開催
・日本化学会:企業での仕事のやりがいや楽しさを伝える無料セミナー
・日本物理学会:「キャリア支援センター」の設立
・テンプスタッフ:ポスドクの就職支援開始

物理系・化学系の動きに比べて情報系・数学系の動きが鈍いのが気になりますが、支援が広がってほしいものだと思います。

CSS 2007 のプログラム

CSS 2007 のプログラムが公開されました。フォントが小さいのは私の環境のせいなのかな...

印刷物の廃止

情報処理学会の各論文誌がオンラインに移行して、従来の印刷物が廃止されるというアナウンスがなされています。紆余曲折はあると思いますが、がんばってほしいと思います。

情報処理学会論文誌2007年9月号

情報処理学会の論文誌(2007年9月号)「情報システムを支えるコンピュータセキュリティ技術の再考」が発行されたようです。

アカデミックな空気

AERA 2007年10月8日号の「現代の肖像」という記事より。この号ではミクシィの笠原健治社長がとりあげられていました。記事の中心はミクシィが成功するまでの部分なのですが、プライベートな部分、つまり笠原健治社長の父親が笠原正雄先生であることにも触れられています。個人的に強い印象を受けたのは次の部分でした。

父親は暗号学の権威として知られる笠原正雄大阪学院大学情報学部教授。(中略)夕食の時には、父がホワイトボードに暗号の問題を書き出し、それをみんなで解いてみたりすることもあった。

記事では、このようなご家庭を「アカデミックな空気に満ちた家庭」と形容されていました。うーん、さすがですねぇ。

黒字化のメド立たず

いろいろなところで紹介されていますが、ITPro の「カテナがLyee事業から撤退、黒字化のメド立たず」という記事より。Lyee というのは新しいシステム開発手法のことで、2000年頃から展開されていたようです。具体的な内容は適当に検索してもらうとして、私が Lyee について強く覚えているのは、情報処理学会の会誌の裏表紙の広告の一件です。この部分の広告は、通年で同じ企業が掲載するのが通例だったのですが、Lyee の広告の掲載が始まったある年は、職場でこの広告はいつまで続くのかが話題になっていました。実際、途中の号から「都合により」他の面に移動してしまい、やっぱりという結論になったのを良く覚えています。あんなに会誌の到着が毎号楽しみだったことはないですねぇ。

« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »

リンク